蛇美

私は今日まで生きてきました…

【寝物語】「火を運ぶキツネ」

久々に、イソップ童話です。
まぁ〜、チョコッと内容を脚色しておりますけど・・・ね。テヘ
えっ?! なぜ今イソップ童話なのか?って、
それは読んでのお楽しみ♪

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ある所に、ブドウ畑や果樹園を荒らしまくる悪戯キツネが一匹おりました。
その被害があまりにヒドかったので、農園主はもちろんですが、噂を聞いただけの村人までが、いつしかキツネを憎むようになっていました。

ある日、村の男がどこからか一匹のキツネを生け捕りにして村に帰ってきました。
男は、「ブドウ畑を荒らすキツネは許せない!」と言って、キツネを木に縛り付けました。
その男の声で、村人がドンドン集まってきました。
村人たちにとって、そのキツネが悪戯キツネかどうかなんて、もうどうでもいいようでした。
キツネが縛られた木を取り囲み、口々に汚い言葉をキツネに浴びせかけていました。
終いには石を投げつける者さえ現われました。

まわりの興奮ぶりに調子に乗った男は、キツネの尻尾に油に浸した布を縛りつけ、その先に火をつけてこう言い放ちました。
「この憎らしいキツネめ!ジワジワ火に焼かれて苦しむがイイ」
コレを見ていた村人は拍手・喝采、大喜びするのでした。

しかし、村人の顏が恐怖に青ざめたのは、それからすぐ後のことでした。
キツネを縛っていた縄が炎で切れてしまい、火をつけたままキツネが村中を逃げ回ったからです。
あわてた村人がキツネを捕まえようと必死に追いまわしたが、それがかえって炎を広げてしまいました。
・・・結局、村は全焼してしまいましたとさ。
お・し・ま・い。


もし、誰かがこの残酷な仕打ちをいさめることができたら・・・
もし、一人でも焼かれたキツネの火を慈悲の心を以って消してあげたなら・・・
村は全滅しなくてすんだかもしれませんね。
そもそも1匹のキツネの被害なんて・・・
被害を受けていない者まで大騒ぎして、村を全焼させるほどのことなのか
そんなことを冷静に判断できなくなる状況は、なんだか悲しいです。

その一方で、抗日運動の様子が連日報道がされています。
彼の國でもそうですが、国内でも国民の言動がどんどんエスカレートしているのが気になります。
まぁ〜、領土の問題なんて、世界中みんなそんなものなのでしょうが・・・
マザーテレサ様のありがたいお言葉で締めくくりたいと思います。

人は不合理で、わからず屋で、わがままな存在だ。それでもなお、人を愛しなさい。
最大の考えをもった最も大きな男女は、 最小の心をもった最も小さな男女によって撃ち落されるかもしれない。それでもなお、大きな考えをもちなさい。
何年もかけて築いたものが一夜にして崩れ去るかもしれない。それでもなお、築きあげなさい。
世界のために最善を尽くしても、その見返りにひどい仕打ちを受けるかもしれない。それでもなお、世界のために最善を尽くしなさい。

2012年09月21日 15:21