蛇美

私は今日まで生きてきました…

【与太話】「就活最終面接!!」

気がつけばもう師走。
この前までガリガリ君をかじりながら暑さにウダっていたと思ったら・・・
もう、街にはクリスマスイルミネーションがあふれ年末気運は高まるばかり。
まさに光陰矢のごとし!
あまりの時の流れの速さに、自分をも見失いそうな今日この頃でございます。
こんな時は、じっくり落ち着いて「温故知新」を気取ってみるのもまた一興。
と言うわけで、今回のお話は、わたしのデビュー作を。。。
(ネタ切れ?!の突っ込みは絶対禁止!!温故知新だからコレ、温故だからね!)



ある国の諜報機関が新たに諜報員を
募集することにしました。

応募者は身元を徹底的に精査され上、
知力・体力、格闘術、変装に至るまで
さまざまな厳しい試験が何度も繰り返されました。

そして、男性2名と女性1名が、
候補者として最終試験に残りました。


最終試験。
試験官は1人目の男をある部屋まで連れていき、
銃を渡してこう言いました。

「プロのエージェントはどんな条件の下でも、
命令を完璧に遂行できなければならない。
わかるな?」

「はい。わたしは病気の妻を治療するためなら、
どんなことでもやり遂げるつもりです。」
男は自分の決意をキッパリ答えました。

薄笑いを浮かべた試験官が、
最終ミッションを伝えました。
「では、君には、これから隣の部屋いる人間を
その銃で、殺してもうらおう!!」

試験官が指差した先のカーテンが開き、
現れたマジックミラーには、
隣の部屋にいる男の妻の姿が写っていました。

それを見た男は、
「ま、まさか?!本気じゃないでしょう?
そんなことできるはずがない。」

「ならば、君はこの仕事には向いていない。
とっととその妻を連れて家に帰るんだな。」
試験官は、冷たく言い放つのでした。


2人目の男にも同様なミッションが言い渡されました。
彼は銃を持って部屋の中に入りました。

・・・5分ほどの時が過ぎ、
彼は涙を浮かべて出てきました。

「何とか任務を遂行しようとしましたが・・・、
やっぱり、僕には愛する恋人を殺せません。」

試験官は失望の表情を浮かべて言うのでした。
「君には資質がない。
恋人を連れてここを出て行きたまえ!!」


そして最後の女性が呼ばれました。
当然ながら、
彼女にも同じミッションが言い渡されました。
隣の部屋には、彼女の愛する夫が
何も知らずに座っていました。

彼女は銃をつかみ部屋の中へ・・・。
彼女を見送った試験官が、
『今回の試験に合格者は期待できないな』
と落胆の表情を色濃く浮かべた瞬間、
隣の部屋から銃声が聞こえました。
それも何発も何発も。

試験官は、微笑みながら部屋の中へ
「合格おめでとう!!! 
君にはプロのエージェントとしての資質が・・・」

ギャー 助け・・・」 ドギャーっ!!

夫の悲痛な叫び声とともに、
骨の砕ける音が試験官の言葉を遮りました。

言葉を失った試験官の前で、
血を噴出した夫が力なく崩れ去るのでした。

「銃には空砲しか入ってなかったの。
おかげで殴り殺さなくちゃいけなかったわ。」

血だらけになった銃を片手に、
返り血で真っ赤に染まった彼女が微笑むのでした。

2008年08月20日ミクシ日記から

2012年12月09日 20:55