蛇美

私は今日まで生きてきました…

【与太話】「思いやり・・・」

今日テレビを見ていたら、田中眞紀子氏は、
父である故田中角栄氏から”思いやり”を
引いたようなヒトだと言っていた。
(ちなみに小泉進次郎氏は、父純一郎氏から
”変人"を引いたようなヒトなんだって、、
なかなかウマイことを言う。)

くしくも時を同じくして、ネットの友人も
「おたがいさま、という気持ちをなくしたら、その人との関係は終わる。」
なんて、わたしの人間関係を明確に予言しているような・・・、
チョット意味深なことをつぶやいておられた。

まぁ〜、なんにせよ社会に生きる人間にとって、
「思いやり」が本当に大切なものであると、
わたしもかねがね肝に銘じているわけですが・・・
今日はそんなお話。


実は、わたしは裏家業として訪問で鍼灸あ・ま・し
(※按摩・マッサージ・指圧の略だよ)をやって
日銭を稼いでるわけですが、
今日患者さんの施術を終えて帰ろうとすると、
その患者さんがわたしにご飯を作ってくれる言う。

「いやぁ〜、何か悪ぃ〜っすね。
あっ、でも、ホントお構いなく。マジで・・・。
あっ、でも、大盛でお願いします。いや、マジで・・・」
と訳のわからないことを言うわたしに、
その患者さんは優しくOKと言ってくれるのでした。

ご飯ができる間、そこのお嬢さんであるユウちゃん
(仮名 推定年齢7歳)とテレビを見ながら待ってたんですけど、
都合よくアニメとかやっていなくて、
面白くもない北朝鮮のニュースが流れていた。
ユウちゃんは、難しい顏をしたままテレビをずーっと睨んでいた。

・・・それが、
見慣れないわたしと二人きりにした自分の母を恨んでいるからか?
それとも、迷走する東アジアの平和について思いを馳せているからなのか?

ユウちゃんが放っている重苦しいオーラからは、全然区別がつきません。
どちらにしても、この重い沈黙・・・、わたしには耐えれそうにもありませんでした。
で、ニュースがジョンウン氏の妻と見られる女性が妊娠?!と言う
話題に入った瞬間に、わたしは耐え切れず口を開いてしまいました。

ただ、アドリブというものが一切できないわたしは、、
「学校には、かっこいい男の子いる?!」とか、
プリキュアの中ではどの子がいいと思う?!」とか、
「お菓子とか、どんなのが好き?!」とか・・・
女の子が無難に答えられることを言えばいいものを

『ヤッパ、あのヒト妊娠してると思う?』
なんて、池上彰だって即答できないような
オッペケペーな質問をついしてしまう始末。

・・・が、
「そんなのわかんない!」
なんて、いきなり即答されちゃったものだから、
エライ!! あんた、今池上彰を超えたよ、わたしの中で・・・
なんて言えるはずもなく、更に気まずい沈黙が・・・。

沈黙の中、”ヤッパ、この子、わたしと一緒にいるのが嫌なんじゃん!”
っていう、得も言われぬ敗北感がムクムクと湧き上がってくるのでした。

と、この前見たアニメ「ヱバンゲリオン」の碇シンジくんが
わたしの前に急に現れて、いきなりつぶやくのでした。
・・・逃げちゃ駄目だ!逃げちゃ駄目だ!逃げちゃ駄目だ!

「だよねぇ〜、でも、ある側近が彼女に直接聞いたんだって」

アンビリカルケーブルはすでに断線し、予備電源も残りわずかな状態で
無謀に突っ込んで往くわたし。

「『そのお腹どうしたんですか?』ってね。
そしたら彼女、何て言ったと思う?」

わたしの予想外の特攻に、
ユウちゃんも、思わずわたしを見つめている。
ここで唸る、渾身のギャグ!!

「『ウン、コがいるの』だって。」
マジ、ウケるよねwwwww、ジョンウンだけに・・・なんて、わたしは舞い上がる。
・・・ああ、消えてしまい!

と、その時・・・、
奇跡が起きた。
ユウちゃんが表情をほころばせて、笑ったのだ!!

「僕は、ここにいてもいいんだ!!」
シンジ君、あんたの気持ち、今のわたしには何か判るよ。
わたしは、目の前のシンジ君にチョットだけ優しい気持ちになりながら
これでユウちゃんと打ち解けられると信じてた。

わたしの頭の中では・・・
楽しそうに浜辺を一緒に走る二人の姿まで
浮かんでくる。キャハハハハハハ

・・・が、
ユウちゃんのお母さんである患者さんが、
大盛チャーハンを持って部屋に入ってきた瞬間に、
すべてわたしのオッペケペーな妄想であることを
思い知らされたのでした。

・・・お母さんを見たときの、あのユウちゃんの表情。
今までの張り付いた笑顔とは全然違ってた。
ホントに心から、ホッとした顔していたよぉwwww!!

キット、ユウちゃんは痛いぐらいのわたしのギャグにも
その小さな心を痛めて笑顔を作ってくれていたのだろう。

ユウちゃん、あなたってなんていい子なの!!
その年でこんなわたしにまで気を遣えるなんて・・・

逆にあの時点で、
あんたバカ
「全然笑えないんですけどぉ!」
なんて、わたしに対する友人のいつもの態度を
ユウちゃんがとっていたら・・・
多分、わたしは無惨に轟沈し、
補完計画は深い闇に消え、
復活するのに長い年月を要していただろう。

「思いやり」ってほんとにすばらしい!!
でも、そのとき食べたチャーハンは・・・、
チョット涙の味でした。

2012年12月18日 22:19