蛇美

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【記事】虫刺されのケア

『日経DI Premium版』の連載「患者指導ワンポイントレッスン」第11回のテーマは、「虫刺されのケア」です。
夏から秋にかけて日常診療でごく普通に遭遇する虫刺症(ちゅうししょう、虫刺され)をテーマに、九段坂病院(東京都千代田区)皮膚科顧問の大滝倫子先生に監修していただきました。
  
※月刊誌『日経ドラッグインフォメーション(日経DI)』には、保険薬局に1部ずつ無料でお送りしている薬局送付版と、有料でご購読いただくPremium版があります。
表紙の一番上に「PREMIUM」と書かれているのがPremium版です。
Premium版には、薬局送付版には掲載していない、32頁分の「Premiumページ」が追加されています。詳しくは、こちらをご覧ください。

「患者指導ワンポイントレッスン」では、専門家の監修の下で、薬局での患者指導に使える指導箋を作成し、その使い方を解説いただきます。
この指導箋は、誌面(Premiumページ)に掲載していますが、同じものをPDFファイルでダウンロードできます。
指導箋は、複製して配布するなど、薬局での患者指導に自由にご活用いただけます。
 
「子供ばかり蚊に刺されて、大きく腫れる」という親の訴えに接することは少なくありません。そこでまず、大滝先生に、蚊に刺されたときの反応の変遷を解説していただきました。

蚊に初めて刺された場合には、皮膚反応は出ません(ステージI)。
そして、次に刺されたとき、刺された頻度の少ない乳幼児期には、即時反応は出ずに遅延反応が強く出ます(ステージII)。
同種の蚊に刺され続けると、刺されてすぐに即時反応が表れ、刺されるたびに即時反応が増強する一方、遅延反応は減弱していきます(ステージIII)。
さらに刺され続けると、遅延反応は出なくなり、即時反応だけとなります(ステージIV)。
さらに進むと両反応とも出なくなり、蚊刺に対して免疫の成立した状態となるのです(ステージV)。

多くの場合、幼児はまだステージIIないしIIIにあるのに対し、親はステージIVまたはVになっているため、「子供ばかり蚊に刺されて、大きく腫れる」ことになるそうです。

指導箋では、小さな発疹であれば抗ヒスタミン成分を含んだ軟膏を塗って様子を見る、応急処置として冷やす、腫れがひどいときは皮膚科を受診する、アナフィラキシー症状が見られた場合は大至急、医療機関を受診するなど、虫刺されのケアについてまとめました。

2013年06月07日