蛇美

私は今日まで生きてきました…

【R20与太話】「奇跡なお話」

この前PCが、いつものようにクラッシュしてしまった。(いつもこの時期にわたしのPCは壊れてしまうのだ!)まぁ〜、すぐに再インストゥールして復旧はできたンだけど・・・。
毎年のことなので、ある程度重要なファイルはバックアップなるものをしているのだが、毎回バックアップする律儀さはわたしにはない。そして、いつ壊れるか予測できるほどの予知能力も当然ない。
だから、今回もダウンロードした音楽ファイルや、オモシロ・お役立ちサイトを集めたお気に入り、そして書き溜めておいた「与太話」とか「健康ネタ」がお星様になってしまった。

で、今日データを外部記憶装置から移植していたら、外部記憶装置内のゴミ箱フォルダに一つだけ「与太話」がポツンとあった。
・・・コレは、まさに奇跡!!!
思わず心の中で叫んだのも束の間、中身を見てガッカリ・・・、さすが、ゴミ箱の中にあるだけはある。
ただ、やはりこれは奇跡に違いない!いや絶対奇跡だ!神の思し召しなのだ!!
内容は問わず、ここは掲載に踏み切りたいと思う、わたしであった。
というわけで・・・、わたしの奇跡なお話をどーぞ。


ある船乗りが3年ぶりに帰航して、家に帰ってきた。
3歳だった一人息子は、もう小学生になっていたが、お土産に買ってきたウルトラマンと怪獣のマスクに夢中になって、夜中まで怪獣ごっこをせがまれる始末だった。美しい妻はいつまでもそれを見て笑っていた。船乗りはウルトラマンに何度も蹴られながらも幸せを感じずにはいられなかった。
翌日、親戚や近所のあいさつ回りや雑用で何かと忙しかったけれど、昼には何とかひと段落が着き、夫婦水入らずでゆっくり遅い昼食も食べることができた。
夫婦でゆったりとお茶を飲んでいると・・・、ふいに船乗りの手が妻の胸元に伸びてきた。
「だめ!もうすぐ子供が学校から帰ってくる・・・ってばぁ〜」
「いいジャマイカ、俺は3年間も浮気もせずずっと我慢してきたんだぞ。」
「でもぅ・・・」
妻は身体の奥が熱くなっていくのを感じながら、拒絶の言葉を続けるのだった。
「だ、大丈夫さ。オレにちゃんと考えがあるから・・・」
船乗りは妻の心を察し、”安心しろよ"ともう一度、耳もとでささやいた。
妻の我慢もソコまでだった。
ついに、船乗りに身体を任せてしまうのだった。

・・・暫くして、友達としゃべる子供の声が近づいてきた。
思いのほか近づくのが早い! もう、間に合わない。
妻は肝を冷やしたが、船乗りはあわてず自分はウルトラマンのお面を被り、妻には怪獣のマスクを被せた。
妻は、怪獣ごっこでこの場を凌ぐ船乗りの考え一瞬で悟った。

かあちゃん、ただいま。父ちゃん、父ちゃんはいるんでしょ?」
子供が勢いよく玄関から部屋に走ってくる。
夫婦は多少照れながらも・・・
「もう、悪いことはしないか?!怪獣め!!」
「参りました。ウルトラマンさん、もう降参です」
と芝居がかった台詞を言うのだった。

部屋の戸をあけた子供は、ビックリして二人をじっと見つめていたが・・・、
「おーぃ、みんな来いよ! スゲェ〜ぞ! ウルトラマンがセッ○スしとるぞぉ〜!!」
部屋から外にいる友達を大声で無邪気に呼ンでしまうのであった。

・・・夫婦は自分たちがオブジェのように固まっていくのを感じた。

じゃんじゃん♪


どうです、奇跡を感じるでしょ?!
コレだけが、なぜ生き残ったのか・・・。